44歳からの留学 ― 米国管理栄養士の、事の始まりから現在まで⑭

こんにちは。『44歳からの留学 -67歳現役米国公認管理栄養士、20年の奮闘記』(Book Trip)の著者のYufiこと堀尾シェルド裕子です。私の体験が、これから留学を考 えている人、米国で管理栄養士になることに興味のある人に役立てることを願っています。また物見遊山でこのサイトをみた方、野次馬も歓迎です。コメントもよろしくお願いします。

 

難関だった学生ビザが取れたので、いよいよ大学留学の直前です。

 

著書より前回の続き

 

カルフォルニアの留学準備コース

 

 マクロビオティック・ストアの仕事は、5月いっぱいで辞めて、6月の初めに、留学準備コースをとるために、カルフォルニアモンテレイにある「モンテレイ・インスティチュート・オブ・インターナショナル・スタディーズ」に向かった。本当は3カ月間のコースなのだが、私は二カ月目からの参加となった。学校の近くにある学生向けのアパートに宿泊して、学校に通う。その学校は、教育学や環境学等の学位が取れる学校であるので、世界中から学生が来て学んでいたが、留学準備コースも開設されていた。留学の助走としては、もってこいの環境であった。

 私のスキップした5月の授業は、日本人だけの英語のクラスで、とった人から聞くと、とらなくても問題はないと言う。6月から私が参加したコースも、15・6人中日本人が90パ―セントを占める、留学準備コースだった。皆若い、20歳前後の若者たちだった。内容は、英語のクラスなのだが、文法やら、会話やら、プロジェクトやら、それぞれ違う側面からアプローチするものだった。また、大学のシステムをなぞらえた、シラバス(syllabus)、オフィス・アウアー(office hour), 参考資料のコピーなどがあった。

 シラバスとは、各学期の最初の授業の時に配られるA4で数ページのコピーで、コースの概要が記されたものだ。そこには、そのコースの目的、目標、使うテキスト、参考文献、試験の日時、課されるプロジェクトの締め切り日等々が書かれている。参考文献には、20位の関連文献が列記されていたりする。一人の少し意地の悪い先生が、私達にそれらの参考文献は全て読むべきものなのだと言ったので、私は、多分皆も、震え上がった。後に、その先生と少し親しくなった時、彼女自身が学生時代に、シラバスにある参考文献を全て読んだかどうか聞くと、「読まない」と言うではないか。

  オフィス・アウアーとは、先生のオフィスに訪ねられる時間だ。たいていは、授業の後の1時間位、週数日が設定されていて、質問やら話をすることができる。

 参考資料のコピーと書いたのは、アメリカの大学では、先生が宿題として読むように課した、記事等のコピーをクラスの皆に配ることはない。先生は、記事のタイトル、著者名、ページ数を知らせるだけで、学生は、図書館に行って、その先生のファイルにある記事のコピーを自分でコピーする。始めは、なんと不合理なと思った。先生がコピーをくれればいいものを。授業が終わると、宿題の記事のコピーを、皆がそろって図書館に取りに行くことになった。でも実際、先生が何十人分ものコピーを準備する必要もない。また大学では、学生のスケジュールは皆違うので、皆がそろって図書館にコピーを取りに行くということもない。宿題に取り組む意思のある学生だけが、各自にコピーをとるので、コピーの無駄もない合理的なシステムだとわかった。

 その留学準備コースは 、8月の中旬に終了するので、8月の初旬は、そのコースの終盤に入っていた。あるクラスで課されていたプロジェクトのための、資料のコピーも集まり、後はまとめるだけというところまで来ていた。(続く)