44歳からの留学 ― 米国管理栄養士の、事の始まりから現在まで㉑

こんにちは。『44歳からの留学 -67歳現役米国公認管理栄養士、20年の奮闘記』(Book Trip)の著者のYufiこと堀尾シェルド裕子です。私の体験が、これから留学を考 えている人、米国で管理栄養士になることに興味のある人に役立てることを願っています。また物見遊山でこのサイトをみた方、野次馬も歓迎です。コメントもよろしくお願いします。

 

ここでちょっと、授業以外はどうだったのかを語りたいと思います。

 

著書より前回の続きです。

 

休日

 

 家族を伴っていない留学生にとって、休日は辛いものがある。やはり日本人留学生が、土日はカーテンを閉めて泣きながら勉強した、という話を聞いたことがあるが、私も同じ様な心境だった。土日は主に図書館などに行って勉強した。また、その時間を確保するためにも、積極的に友達づきあいを求めることはなかった。

 中間試験の後の、春休みや秋休み、また学期間の長い休みには、日本人の友人・知人の家を訪ね、数日づつ止まらせてもらった。一度、クリスマスを共に過ごしていた知人の都合がつかず、途方に暮れたことがあった。告知板で、留学生一般を対象にしたクリスマス会が遠方で開かれる情報を得たのだが、帰りが夜遅くなることを憂慮し諦めた。

 その時どうしたのかは、はっきり覚えていないのだが、ボストンの久司先生ご夫妻のいるクシハウスは駆け込み寺のような救いの場だった。いつもオープンだった(文字通り鍵がけけられることはなかった)。あるクリスマスに訪ねた時には、先生の古い友人も含めて私達少数のゲストのために急遽祝宴を開いてくれ、プレゼントまでくれた。申し訳ない気持ちさえした。ただ、クシハウスまでは、長距離、短距離のバス、電車を乗り継いで行くので、六時間以上かかり、気軽に行けるわけでもなかった。でもクシハウスがあると思うだけで、あたかも、帰れる故郷があるというような安心感があった。

 

インターナショナル・スチューデント・クラブ

 

 二年目に入って、気持ちに少しゆとりができた時、インターナショナル・スチューデント・クラブを覗いて見入ることにした。その名のごとく、様々な国の学生が集まってワイワイガヤガヤやっていた。私もメンバーになり、イベンントに参加したり、イベントの準備を手伝ったりもした。休みを利用した小旅行にも参加した。メンバ-のほとんどが諸外国からの留学生なので、互いを尊重しあい、親切で温かい雰囲気があった。英語はどうかというと、皆流暢だ。外国語のアクセントもない人が多い。私のように、英語の、聞く、話す、読む、書く、で苦労している人は見かけなかった。ここにいてもまた、心の片隅でいつも、宿題や、復習が気になっていた。復習とは、テキストの一語一句を読んで、理解することだ。これは時間がかかるけれども、わたしの必須事項だ。何せ、先生の言っていることは、ほとんどがすどーりして、頭には入っていないのだから。だから、土日をむかえるたびに誘い合い、休日をともにすごしたりする彼らからは一歩引いて、関わらないようにしていた。つまり、フレンドシップを構築していないのだから、いざ、少し長い休みになって、メンバーの誰かと誘いあって何処かに行こうなどという都合のいい話があろうわけがない。これから留学を目指す読者には、勉強時間等はなんとか繰り合わせて、インターナショナル・スチューデントらの繋がりだけは保つことをアドバイスしたい。

  

サンクスギビング(感謝祭)

 

 アメリカでは、クリスマス、イースター独立記念日(7月4日)、そして、11月のサンクスギビング(感謝祭)に、家族が集まり、祝う習慣がある。特に、サンクスギビングは、宗教にも関係がない、独立記念日同様の、国民的行事だ。

 留学一年目のサンクスギビングに、その時取っていた「食物の構成と科学的調理」(Food Composition & Scientific Preparation)の担当のスミス先生が私を、家族友人のパーティーに招待してくれた。その時私は、車をもっていなかったので、先生が送迎もしてくれた。パーティーの総勢は15,6人位だったろうか。学生では、私一人だった。この上ない光栄だった。わたしは、家族、友人に紹介された。私の持参した料理の一品も食卓に加わり、皆で食を楽しんだ。。サンクスギビングのメイン料理であるローストされた七面鳥は、一家の主人が切り分けて、供された。後にそれは、サンクスギビングの習慣であることを知った。

 二年目のサンクスギビングにも、やはり、その時に取っていたクラスのワンダリッチ先生が私を招待してくれた。その時も、学生で招待されたのは、私一人だった。またもこの上ない光栄だった。先生のご主人の、食への感謝の祈りと共に、食祭が始まった。それがとても印象深かった。

(続く)