44歳からの留学 ― 米国管理栄養士の、事の始まりから現在まで➄

こんにちは。『44歳からの留学 -67歳現役米国公認管理栄養士、20年の奮闘記』(Book Trip)の著者のYufiこと堀尾シェルド裕子です。私の体験が、これから留学を考 えている人、米国で管理栄養士になることに興味のある人に役立てることを願っています。また物見遊山でこのサイトをみた方、野次馬も歓迎です。コメントもよろしくお願いします。

 

前回からの続き(著書より)

 

マクロビオティック・サマー・カンファレンス

 

  久司先生はまた、マサチューセッツ州に「クシ・インスティチュート」という、料理教室を開催したり、マクロビオティックカウンセラーを養成したりする、マクロビオティックセンターをもっていた。その「クシ・インスティチュート」は、アメリカを中心に世界中のマクロビオティック実践者が、スタッフも含めて500人位集まる、「マクロビオティック・サマー・カンファレンス」を、アメリ東海岸の大学を借りて、毎夏開催していた。久司先生ご夫妻はその「マクロビオティック・サマー・カンファレンス」にも是非来るよう誘ってくれた。

 1990年(平成2年)に初めて 、その「マクロビオティック・サマー・カンファレンス」にボランティアとして参加した。複数のクラスやワークショップが朝から晩まで同時進行し、マクロビオティックの食事を大食堂でとる。久司先生はヒーローだった。私のボランティアの仕事は、食堂のカウンターで食事を盛るという簡単なものだったが、英語がわからないので、おまけのような存在だった。でも皆とても親切だった。初めてのアメリカで、それだけの大きな規模で、とにかく圧倒された。頭がクラクラするほどの衝撃を受けた。私は、”アメリカを見た”ような気がした。だが、後に、それは本当のアメリカではないことを知る。それはアメリカの久司先生のマクロビオティックの世界だった。本当のアメリカでは、日本人にいか程の敬意も払ってくれないし、英語が話せなければ、見下されるだけだ。その時はまだその事がわからなかった。私は、その翌年も、またその翌年も、ボランティアとして参加した。体の中にエネルギーが充電するような気がした。(続く)