44歳からの留学 ― 米国管理栄養士の、事の始まりから現在まで ー 余談⑫虫歯

私は今春69歳になったが、歯を一本も失っておらず、31本を全て保っている。親知らずの一本は出てこなかったので、32本ではなくて31本だ。そしてこの10年間、虫歯はひとつもできていない。

かくいう私は実は、子供の頃から虫歯ができやすかった。年に1・2回の検査では、必ず虫歯が見つかり、治療した。だから、治療歯は多い。虫歯になりたくないので、丹念な歯磨きは事欠かなかった。それでも、14・5年前には歯石を麻酔をかけて取らなければならなくなったこともある。それ以来、歯磨きの後に、デンタルフロスも必ずするようになった。

10年前、スプラウトに目覚めて、様々な自家製のスプラウトを毎日食べるようになった(この詳細は、次回のブログで書きたい)。そしてそれ以来、虫歯が出来なくなったのだ。

その頃ネットで読んだ記事で「サポニン」のことを知った(Saponins from Edible Legumes: Chemistry, Processing, and Health Benefits. Journal of Medicinal Food. April 2004, 7(1): 67-78)。 サポニンは植物の根、葉、茎などに含まれているが、特に豆に多く含まれている。その記事によると、サポニンの多い食事法の健康上の効果は、コレステロールを下げる、癌のリスクを下げる、血糖値を下げる等のほかに、虫歯の予防にもなり得ることが挙げられていた。えっ、本当!虫歯の予防⁈その後、スプラウトについて調べていると、アルファルファは、スプラウトの状態では、成長した状態よりも、450倍も、サポニンの量が高いという。これはもうアルファルファスプラウトを食べない手はない。と言うわけで、アルファルファも含めた種や豆のスプラウトサラダを毎日食べるようになったのだ。そしてそれ以来、記事の内容を証明するかのように、虫歯がピタッとできなくなったのだ。

もう一つ共有したいことがある。YouTubeで、歯科医の小峰一雄先生の「自然治癒力が上がる食事」と言う本の解説を見て興味を持ったので、購入して読んだ。小峰先生は、「象牙質内の液体移送システム(Dentinal Fluid Transport またはDFT)により、体と歯はつながっているということを説明している。歯は、エナメル質、象牙質,歯髄などから成り立っている。エナメル質と象牙質の 境目は象牙細管エナメル象牙境という。アメリカのスタイマン博士の実験で、ネズミのお腹に「放射性同位元素」と言う物質を注射すると、その物質は、僅か6分後に象牙エナメル境に達し、一時間もしないうちに、エナメル小柱間から歯の表面に出てくるのを確認したという。DFTの重大な機能としては、歯に負担がかかって、ヒビが入ってしまったときなど、DFT が必要な栄養を運び、修復してくれる、毛細現象によって食べ物の色素が吸い込まれ、黒ずんだ歯を、DFT の液体がクリーニングしてくれる、また、歯茎の中に歯周病菌が入り込んだ時も、DFTの液体に含まれる免疫細胞が菌を退治して歯周病の発症を予防してくれるなどがある。

ところが、このDFT は、スイッチが入ると逆流し、口の中にいる無数の細菌が歯の中に入り込み、虫歯をつくり、果てには、体内に入り込んで、全身の病気を引き起こすというのだ。DFT の逆流を引き起こす五つのスイッチは、砂糖の摂取、ストレス、運動不足、ビタミン・ミネラル不足、薬剤の服用だという。本の中にはそれぞれが解説されている。

小峰先生は、抜歯してはいけない、歯を削ってはいけないと言われ、抜歯しない、歯を削らない治療を行っている。小峰先生と同じ方針で削らない治療をしている歯科医師YouTube を見つけたので、ご参照のこと。https://www.youtube.com/watch?v=vzxnoE-0aPo

虫歯のできやすかった私だが、今はこの虫歯を作らない方法と、また、万が一、虫歯になっても、抜かない削らないで直す方法で健康な歯を保っていきたい。

 

堀尾シェルド裕子