44歳からの留学 ― 米国管理栄養士の、事の始まりから現在まで ー 余談①入居者の激減他

 本書を出版したのは昨年末だったので、今はもう一年近くが経とうとしている。前代未聞のコロナ禍のせいで、状況は目まぐるしく変化している。職場の老人ホームの入居者は、コロナによる多数の死亡と、新入居者の受け入れを一年近く止めたための両方で、約三分の二までに減った。新入居者の受け入れは、今年の八月から再開しているが、看護師の不足で、受け入れも滞っている。そしてワクチン。ニューヨーク州では、医療従事者のワクチンの強制を打ち出した。私は、ワクチンは打ちたくないので、連邦憲法では保障されているReligious exemption の申請をした。だがニューヨーク州はReligious exemptionは受け入れないという緊急の条例をも打ち出した。そしてそれを不服とする医療従事者からの集団訴訟が起きている。そういうわけで、私の申請に対する回答は保留中なので、ワクチンは打っていないが、週二回のPCR検査を要請されている。集団訴訟の判決次第で、もしワクチンが、Religious exemptionを認めない絶対的な強制になれば、私は仕事を辞めるわけにはいかないのでワクチンを打つことになるだろう。ワクチンそのものに関しては、賛否両論、国民をまたは世界を分断するような、大きな主題なので、ここでは言及を避けたい。

 昇給に関しては、この夏やっと交渉がまとまり、2019年までさかのぼって、毎年2%上がることが決まった。ちなみに、ダイエティシャン(サラリーグレード18、ダイエティシャン2)の2021年の年収は、$60,069 - $76,387 となった。

 著書では、要所要所の写真、またモントクレア州立大学の成績表が巻末に掲載されていますので、興味のある方はご覧ください。またダイエティシャン(管理栄養士)に関する質問や迷いなど、その他なんでも、コメント欄またはEメールにお寄せいただければ、出来る限りお答えしたいと思っています。

堀尾シェルド裕子