44歳からの留学 ― 米国管理栄養士の、事の始まりから現在まで㉜

こんにちは。『44歳からの留学 -67歳現役米国公認管理栄養士、20年の奮闘記』(Book Trip)の著者のYufiこと堀尾シェルド裕子です。私の体験が、これから留学を考 えている人、米国で管理栄養士になることに興味のある人に役立てることを願っています。また物見遊山でこのサイトをみた方、野次馬も歓迎です。コメントもよろしくお願いします。

 

アメリカの管理栄養士、ダイエティシャン、になるために必須のインターンシップを終えて、いよいよ資格を目指します。

 

著書より前回の続き。

 

インターンシップの卒業式 (2002年・平成14年6月) 

 

 インターンシップの卒業式とパーティーは6月の半ばに行われた。10人のインターンが全員卒業できた。前年度のプログラムでは、一人が脱落している。実際、我々の代でも、3カ月を過ぎたころ、一人がもうやめると言いだしていた。それは、インターンシップが始まる前に出された膨大な宿題に焦って、一緒にやろうと言ってきた例のテリだった。でも、インストラクターも私達インターンも、彼女に続けようと励ました。そしてまた、その時に取っていた修士課程のコースの期末試験勉強を私とテリともう一人のクラスメートの3人でして、彼女を力付けた。

 インターシップの卒業式には祝福する家族らも出席する。私には家族がいない。私は、大学の学士号の卒業式の時と同様に、エレンに出席してもらえるかどうか聞くと、また快く承諾してくれた。式では、インストラクターから、一人ひとりに合った賞のボール紙で作られた微笑ましいメダルが送られた。私には、「傑出賞」(Outstanding Award)のメダルが贈られた。

 

ADNによるインターンシップの優秀賞への推薦

 

 ダイエタティック・インターンシップの内容の規定も、ダイエティシャンの資格試験も、The Academy of Nutrition and Dietetics(ADN)という組織によって確立されている。そして州ごとのANDから、毎年一人のダイエタティック・インターンに「傑出インターン賞」(Outstanding Dietetic Intern of the Year Award)が贈られる。インストラクターは私をニュージャージー州の傑出インターン賞に推薦してくれた。理由は、熱心な学びやその能力のほかに、マクロビオティック等の食文化への興味が新しい世代の多様性に貢献できるだろうというようなものだった。残念ながら、受賞には至らなかった。

 

ラクティカル・トレーニング・ビザ

 

 私は1998年(平成10年)に5年間のスチューデントビザでアメリカに来た。実際には、そのビザ期間は、カルフォルニアの留学準備コースの期間を含めた1997年(平成9年)5月21日から2002年(平成平成14年)5月15日までだ。ビザのことなどすっかり忘れて無我夢中でやって来たのだが、気が付いた時には、スチューデントビザの終了とインターンシップの終了とがほぼ同時だった。

 スチューデントビザの終了後には、その専攻分野の関連の就労が一年間許されるプラクティカル・トレーニング・ビザがもらえる。2003年(平成15年)の5月半ばまでだ。アメリカに残りたいのなら、その期間中に就職を決め、次のステップのビザ、すなわち、専門職ビザのH1B ビザを取るしかない。

 

資格を目指して

 

 晴れてインターンシップを終え、「登録資格者」(registration eligible)と呼ばれる、ダイエティシャンの資格試験が受けられる資格を得た。そしてその試験に受かれば、公認管理栄養士(Registered Dietitian)になれる。その資格に関していうと、ダイエティシャンの資格が必要な分野と特に必要のない分野とが ある。病院の臨床ダイエティシャンとして働く場合には必要だが、新卒(インターンシップを終えた直後)の場合は、その職で働き始めてから半年以内に資格を取ればいいことが恒例だ。老人ホームまたは長期療養施設の場合では、資格は必要とされていないが(州毎に規定が違い、例えばニューヨーク州では州で発行される資格が必要)、資格があるとなしとでは、同じ仕事をしても給与に差がある。

  私は英語をうまくしゃべれない。だから、就職の面接を通過するには、ダイエティシャンの資格は絶対に必要だと常づね思っていた。プラクティカル・トレーニング・ビザの期間は一年しかない。その間に、資格を取って、就職をし、ビザを取らなければならない。私は、 ダイエティシャンの資格試験 ( RD Exam) を少しでも早く受けたかった。

 実は、インターンシップが始まったころ、RD Examの練習問題のフラッシュカードがあることを知り、手に入れていた。インターンシップが終わったらすぐにでも試験を受けようと思って、毎日少しづつフラッシュカードの問題と回答の暗記を試みていた。そしてその計画通り、インターンシップが終わったあと直ぐの、8月の受験登録をした。

(続く)